3月に行なわれた理系女子Books Caféの参加者の皆さんの理系女子的生き方をご紹介する最終回です。
筑波大学の生物学類は、約半数が女子で、理系の中では女性比率が高い方です。ですから、大学に入ってから「リケジョ」として特別なことを感じることはほとんどないそうです。
しかし、山口さんがおっしゃっていたのですが、大学院までは女性も多いが、女性は大学院卒業すると研究者にならないことが多く、卒業すると「リケジョ」の孤独を感じてしまうそうです。筑波大学の生物系では、女性の教員は全教員 60 人中2人しかいません。 アカデミックの分野では、未だ身近にあまりロールモデルがないような状況で、大学院生だった山口さんは、学会などで女性の研究者の方にお会いすることがあれば積極的に話しかけてお話を聞くようにしているそうです。
ですから、リケジョプロジェクトについても、「先輩リケジョ」って先輩にしかなれないんですか?と訊かれました。中高生でなく、自分たちも、理系の女性から教えてもらいたいとおっしゃっていました。そういう意味でも理系女子Café、、がんばりたいです。
また、子育てと研究についてもお伺いしてみました。
島田さんは、3歳のお子さんがいらっしゃって、平日8時から18時まで保育園に預けているそうです。週末は、大学の規定の勤務体制ではお休みということになるので保育園には預けられないのですが、現場の研究者は土日祝日関係なく働かなければならない時もあるので、子供同伴で研究室に行ったり、地域のファミリーサポートを利用したりベビーシッターさんを個人で雇って対応しているそうです。
島田さんや山口さんが採用されている日本学術振興会の特別研究員には最大1年間の産休/育休制度があります。研究職の中には、研究費の予算執行期限が限られているために研究員が十分な産休/育休をとれないものもあるそうで、研究と育児を両立していくためには産休/育休制度が確保できる職を得ることが重要です。お二方は研究も続けたい!子供も産み育てたい!と両方の願いを叶えるために(欲張り?)、数年前から計画してきた道を着実に歩んでいらっしゃいます。この人生設計の緻密さも、リケジョではないでしょうか。子育てと研究や仕事の両立させるためには、パートナーの理解と協力は一番ですが、やはり、人生設計というのも大事なんだなと感じた次第です。
理系女子の100冊でも推薦されている講談社のブルーバックス「理系の女の生き方ガイド」は女性研究者の黎明期を乗り切った武勇伝とも呼べるもので、理系女子のロールモデルが未だ少ない中で、「リケジョのバイブル」として結構皆さんに読まれています。
島田さんは、この本を大学生の時に読んで、研究も子育ても自分の考え次第で乗り切れるという柔軟性を学んだそうです。旦那の転勤、子供の急病、両親の介護、天災人災等々、人生何があるかわかりません。時には大好きな研究をやめなければならないかもしれないけれど、理系ならその時々に応じた選択肢の幅が広がります。尾嶋さんはまさにそうで、家族を大事にしながら、日本でもアメリカでもいろんなことにチャレンジして自分の輝ける道を常に模索しています。
島田さんや山口さんのように、若手の研究者として、母として、妻として、毎日輝いている方は全国に大勢いらっしゃることと思います。平成版の「理系の女の生き方ガイド」もあってもいいんじゃないですか~、講談社さん~。
長々とブログに失礼しました。どの先輩方のお言葉も貴重で、割愛するのがもったいなくてこんな形になってしまいました。
少しでも、中高生のみなさんの参考になれば幸いです。
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Rafe (日曜日, 22 7月 2012 04:58)
Hi there! This post couldn�t be written much better! Reading through this article reminds me of my previous roommate! He always kept preaching about this. I most certainly will forward this post to him. Fairly certain he�ll have a good read. Thank you for sharing!